コレクション:
文様特集
菊花菱(きくはなびし)
十五~六世紀、わが国に舶来された数多くの美しい裂の中に、織組織にビロードと銀襴とを併用した菊花菱文の珍しい裂があります。この文様の構成は、四辨に拡がる大形の花菱と小形の八辨の菊の丸とを、斜交互に菱形の中に配して、その対照の妙は簡潔、明快です。
いま文様にこの直載の美を探り、天平の暈繝の多彩な色のリズムを経錦の織法によって映し出し、可憐な詩的香気を新しく試みました。