コレクション: 文様特集
花唐草龍鳳文錦(はなからくさりゅうほうもんにしき)

大名物茶入 銘「安国寺」は細川幽斎・三斎から安国寺恵瓊(あんこくじえけい)へ、その後徳川家康から津田秀政へ、再び三斎へ戻りその後も数奇な運命をたどりました。仕覆の数も11種。なかでもひときわ派手やかな仕覆がこの赤地の錦です。本歌は褪色し、これほどの華やぎはありません。 この錦の特色は、地の緯糸(よこいと)に節のある強撚糸を用いて筋だった風合を出し、絵緯(えぬき)は撚(よ)らない糸で花葉をやわらかく表現していることです。復元に際しては、この糸質はもちろんのこと部分的に残る色糸から鮮やかな色調を引き出し、明代当時の華麗な趣に仕上げました。