コレクション:
文様特集
咸陽宮鱗文(かんようきゅううろこもん)
近世の貴人達が書画の表装などに用いた裂地の中には、数多くの名品が見受けられます。この原品も、始皇帝の宮殿として知られる「咸陽宮」を描いた永青文庫所蔵の元時代の掛け軸“咸陽宮図”の中廻しに用いられている金襴であります。文様構成は全て方眼の色分けで、モザイク風に表現され、実に珍しい趣を醸し出しています。
本品はその風情を損なうことのないよう、気高く味わい深い色調で織り成したものであります。