コレクション: 文様特集 サンシャペルの犬(さん・しゃぺるのいぬ)

パリ、シテ島にある十三世紀の代表建築のひとつサン・シャペル寺院は、聖王ルイが建立を命じた礼拝堂です。この堂内の狭いラセン階段をあがると、天を衝く高窓のステンドグラスから多彩な光をうけて、一段と美しく映えて見える床面の装飾タイルがあります。このタイルの図柄は、幾何学構成の中にいろいろな動物文と唐草を組み合わせてまとめた素晴らしいものです。 この裂地の文様は、その一場面である犬と唐草をメダイヨンの文様構成にてまとめたもので、ゴシック様式に用いられたこの図柄から、その当時の造形の鋭さと格調の高さを偲ばせるものです。