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文様特集
獅子とり王子(ししとりおうじ)
両腕に獅子を捕まえたこの勇壮な人物は、古代アッシリアの図書館の発掘により発見された数万枚の楔形文字粘土板文書の中の十二枚の粘土板に描かれている世界最古の叙事詩である「ギルガメッシュ叙事詩」の主人公で、伝説のメソポタミア王ギルガメッシュといわれています。
英雄が獅子を腕に抱えている図柄はアッシリアの宮殿跡のレリーフに見られるものですが、この裂のデザインのように左右対称な図柄はペルシャ・ササン朝の織物の特徴と言われています。十世紀頃に中東にてヨーロッパへの輸出向けに織られた裂をもとに、その勇壮さを表現すべく経錦にて織り成しました。