コレクション:
文様特集
花鳥段文錦(かちょうだんもんにしき)
この錦は大谷探検隊がトルファンのアスターナ古墓群からもたらした錦 (龍谷大学大宮図書館所蔵) に範を求めたものです。六弁の小花・草花・向かい合う二羽の鳥などの文様が段状に配され、彩りをなす紺・茶・緑の濃淡と組み合わされた構成です。この落ち着いた文様構成は、唐の大歴年間 (七六六―七七九) に連珠文や天馬文などの華美なモチーフの使用が禁止されて以降に、流行したとみなされています。原品はおそらく八世紀後半頃のものでしょう。
今回、原品の緯錦を経錦として織り成し、趣ある錦として再現いたしました。「織の美」をお手元に置いていただければ幸いと存じます。